2020/11/27【スタッフブログ】山内

映画『STAND BY ME ドラえもん2』に感動できる人、できない人。

(C)2020「STAND BY MEドラえもん2」製作委員会

終わり良ければすべてよし、は言い訳だと思っていました。

公開中の映画『STAND BY ME ドラえもん2』を見るまでは。


映画を観ていて、

「ここが感動シーンなんだろうなぁ」

と客観的になってしまう時、ありませんか。


そうなる時を私なりに共通項で括ってみました。


「いやいや、こうすればいいじゃん」

というツッコミを入れたい時です。


特にドラえもんのような、
非現実的なひみつ道具の絡むストーリーの場合。

いわゆる、S Fですね。


「さっきの道具を、こう使えば解決じゃない?」

という、論理の穴を見つけてしまうと、
以降、気になって気になって、感情移入できません。


「結局、子供向けか」


「前回は良かったが、今回はネタ切れか?」


そう思った大人のあなたに向けた、
心理的なトリックが仕組まれているのが、本作です。


かといって、どんでん返しを楽しむ映画でもなく。


かの名作『カメラを止めるな!』は、
どんでん返しを楽しむ映画でした。

つまり、大人向けです。


しかし、本作は子供から大人まで、
観た人全員を本気で楽しませにかかってきます。

一度、座席に着いてしまったら、
もう逃げることはできません。

老若男女、という使い古された言葉が、新しく定義されます。


「ドラえもん」のストーリー上の展開は、
大人のあなたには先が読めて当然でしょう。

そりゃ、助かりますよと。

ええ、解決しますとも。


ただし、製作者はそんなこと分かった上で、読ませてるんです。


「あー、ハイハイ、読めましたよ、と」



そこに見えない角度からのフックが、直撃します。



脳天は揺さぶられ、あれ、涙が。


まぐれ当たりかな。

いや、狙って打ってきたんだ。


だって、伏線回収の嵐だから。


本当に、無駄のない映画です。

これぞ、ジャパニーズ・クオリティ。


プロセスの細部まで血が通っているから、
終わり良ければすべてよし、なんだ。

言い訳の言葉じゃなかったんだ。


むしろ、一番難しいことじゃないか。



観ている子供の視点に立ってみる。

次に、大人の視点。


子供の付き添いで見にきた大人と、
自分から見にきた大人と、視点は違います。

そこも、分けて考える。


次に、誰と来ているか。

家族と。友達と。恋人と。または、ひとりで。


そして今、人生のどんなステージにいるのか。

結婚しているのか、結婚したいのか、したくないのか、してしまったのか。

待っているのは、子供の結婚か。孫の結婚か。


どんな人生を送って、今ここにいるのか。

これから、どこへ向かっていくのか。


たとえ、相手がどんなステージにいようと、
どんなタイミングだろうと、関係ない。



いつでも楽しめる?


いやいや。

いつでも「今だから」楽しめる。



それが、老若男女という言葉の新しい定義です。


いつ観ても、あぁ、今観て良かった。

そう思える作品です。


今だから、ぜひ、劇場で。

かえって、空いてますよ。



山内

- Written by " yamauchi@ryokuchi.co.jp ".

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