株式会社 緑地

こんにちは、売買担当の山内です。

以前に、このブログ内で、
不動産の心理学ってテーマで
何度か記事を書いてました。

（※気になる方は、右のカテゴリから
　「【スタッフブログ】山内」で遡って頂ければ。）


で、今回はその延長で、
「デフォルトの魔力」
について簡単にお話しできればなぁと。


魔力って言っても、
「とにかくすげー影響力があるよ」
って程度の意味しかないですが←


まず、デフォルトって何かと言えば、
「最初から選ばれている選択肢」
のこと。

例えば、保険証の裏。

保険証を裏っ返すと、
「臓器提供したい人は〇してね〜」
って書いてあります（注：めちゃめちゃフランクに要約してます）。


で、仕事柄、本人確認のために、
免許証と保険証の裏表コピーをもらうんですが、
この保険証の裏、面白いことに、

「臓器提供の〇」

をしている人って、ほぼいませんでした。

ほとんど見たことないんですね。


これは、なぜ？って言えば、
誰しもが「臓器提供はしないぞ！」
と意思を持って〇してない訳ではなく。

だって、その中の選択肢には
「私は臓器提供しません」っていう選択肢も
ちゃんとあるからです。

臓器提供を「するorしない」で選べるのに、
ほとんどだれーも選んでいない訳です。


なんで？


なんででしょうか。

で、面白いのがここからで、
海外でも同じように
何かの身分証の裏に臓器提供の〇を実施している国があって。

この記事書くために調べ直したりしてないので、
気になる方は調べてもらえばいいんですが。

で、その国でも、
「臓器提供します！の場合に〇つけてね」
と書いておいたら、誰も〇しなかった。

でも、臓器提供する人増やしたい‥‥、
となったとき、頭のいい人がいたんですね。

こうしました。


「「臓器提供しない場合は、〇してください」」


いままでの逆を試したんです。


つまり、デフォルトの選択肢を「臓器提供をする」にして、
したくないなら、「しない」に〇してね、と。


すると、驚くことに、というかやっぱりって感じですが、
ほとんどの人が「臓器提供しない」に〇をしなかったんです。


というのが、
デフォルトの選択肢が選ばれやすい例で、
「デフォルトは強いぞ」
っていう例え話なんですが、

iPhoneの着信音とかもそうですね。

iPhoneユーザーのほとんどの人が、
電話の着信音を「あの音」にしたままです。

「てん、てんてれ、てんてれてんて、てんてれてんて、てん」
みたいなやつ。


iPhoneに限らず、Androidでも、
いちいち「設定」を開いて、
いろんな設定をデフォルトから変えたりしてないよ、
って人がほとんどじゃないかなと。


それだけ人って、
「デフォルトから変更する」
ってことが、億劫に感じる生き物なんですね。

これを心理学（正確には「行動経済学」）では、
「「現状維持バイアス」」
なんて言ったりします。

でも、呼び名はなんでもよくて、
とにかく
「デフォルト、最強」
とだけ、覚えておけばいいです。


で、ここからが本題。

こういう心理学的な知識って、
次の２つに役立てるのがオススメです。

それは、

『人を動かすため』
『人に騙されないため』

です。


人を動かす、でいえば、
それこそ「人に臓器提供してほしい」なら、
デフォルト選択肢に「提供する」としておけばいい。

まぁ、人に臓器提供させたい人は少ないでしょうから、
例えば、不動産を買ってほしいなら、これを応用して、

「不動産を買う前提で話を進める」

というテクニックが使えてしまうわけです。


具体的に言えば、
あなたが家の内見をしている際に、
不動産営業マンが、

「ここにテレビが置けるので‥‥、
　ソファはここか、こっちか、どういう向きがいいですか？」

なんて言ってきたので、
家族でソファの向きや場所について盛り上がった、
なんてことがあれば、狙い通りですｗ


車のセールスマンも同じように、

「カーナビは付けますよね。
　Bluetooth機能って使います？ありなし選べるんですが」

なんて言ってきたら、
もう「車を買う前提（デフォルト）」で話が進められていることに
ハッと気づいてほしいわけですｗ


営業する側は、もちろん
「売上上げるためだぜ、ぐっへっへ」
みたいな人もいるでしょうが、

「この物件（商品）に決めたら、一番幸せなのに、早く決めなはれ」
と背中を押すために使っている人もいるわけです。

（私もそうだと、いちおう言っておきます←）


人に「これを選んでほしい、決めてほしい」
って選択肢があるなら、
その選択肢を前提（デフォルト）に
話を進める、ってのが一つのテクニックです。

ある程度まで、その前提で話が進んでしまえば、
「現状維持バイアス（デフォルト最強効果）」が働き、

『もう、この選択肢がいちばんいいんじゃないか』

って気がしてくるんですね。


っていう、心理的な効果を知っておけば、
いざ！自分がデフォルト最強効果を使われたら、

「いま、使われてるｗまさにｗ」

と、客観的に面白くなってくるわけです。


このテクニックは、もちろん私も、
文章を書くときや、お客さんとトークするときには、
普通に使っています。

意識的に使うときもあれば、
無意識に使っているときもあると思います。

けど、別に騙そうとしているわけじゃなくて、
どっちかと言えば、さっき言ったように、
背中を押して、早く決めてもらうためですね。


迷う時間って一番つらいじゃないですか。
しかも、迷って迷って決めた挙句、
先にほかの人に物件取られちゃった！

なんてときは、心臓を握りつぶされるくらい辛い。


不動産は早い者勝ちなんで、
「早く決めてもらうこと」は、
お互いに大きなメリットなんですね。


で、そうやって自分が普段から使っているからこそ、
逆に人から「デフォルト最強効果」を使われると、

「あー、はいはい、こっち選ばせたいのね」

と、ひねくれた見方をするようになりつつ、
相手の狙い（意図）が見えるようになってきます。


だから、いかに意図がバレないように、
デフォルトの選択肢を提示するかが腕の見せ所になってくるんですが、
それはまた別のお話‥‥。


と！にかく、

「「選んで欲しい選択肢をデフォルトにすると、選ばせやすい」」

っていう、

「デフォルト、最強」

の事実を覚えて帰って下さい！


今回は以上！それでは。