2020/08/11【スタッフブログ】山内

お部屋探しの心理学②『参照基準点』

こんにちは!山内です。

今回も「お部屋探しの心理学」と題して、
不動産にまつわる心理的な現象を解説していきます。

今回は、不動産営業マンに「言うな!」と言われそうな、
マル秘テクニックを公開しますので、お見逃しなく!


さっそくですが、そのマル秘テクニックというのは、
案内の時、不動産屋さんがお客さんに物件を見せる順番のことです。

どういう物件を用意して、
どの順番に見せるか?には、秘密があります。


たとえば、次の3つの物件を案内するとします。

A:予算ギリギリだけど、条件には一番合う大本命の物件

B:Aよりも安いけど、ちょっとイマイチな物件①

C:Aよりも安いけど、ちょっとイマイチな物件②

この場合、不動産屋さんは基本的に、
次の2パターンで案内します。

「B→C→A」

もしくは、

「A→B→C→A」

このどちらかの順番に見せることで、
Aに決まる確率が高くなるからです。


このとき起こっている心理的な現象としては、
「参照基準点」というものです。

人は何かを評価し判断するとき、
無意識に”相対評価”をしてしまう傾向があります。

評価対象だけを見て0から100で評価をするのではなく、
まず何かを50に設定して、
それに比べてどれだけ高いか、低いかを判断している、
ということです。

このとき、50に設定した対象を、
「参照基準点」といいます。


上記ABCの3物件を案内したとき、
最初にBとCを見せることで、
お客さんの中ではBとCが参照基準点に設定されます。

「この条件なら、こんなもんだよね」

という感覚が参照基準点にセットされた後、
Aを見ると、参照基準点よりも上回るために、
「これは良い!」と感じやすくなるわけです。

例えばAとあまり変わらないDとEを見せるよりも、
BとCを見せたほうが「Aは良い物件だ!」と感じやすいのは、
参照基準点との比較でしか人はAを評価できないからです。


この「B→C→A」が基本パターンですが、
「予算内でも、なるべく良いところに住みたい!」
という気持ちが強い場合には、
最初にAを見せるのも効果的となります。

このとき、逆にAが参照基準点に設定され、
BとCがさらに残念に感じるようになります。

最後にまたAを見ることで、
「やっぱりAが良い!」
という確信が強まるというわけです。

このとき不動産屋さんは大概こういいます。

「Aは人気の物件なので、
 BとCよりも先に決まってしまうでしょう」

このひと言に背中を押されて、
気持ちよくAの物件を選ぶことができます。


こうやってご案内している不動産屋さんも、
「騙してAに決めてやろう・・・へっへっへ」
みたいなヨコシマな心でいるわけではありません。

どっちかと言うと、
「Aに決めれば一番、満足感が高いのに!」
とシンプルにそう思っていると思います。

プロの目から見れば、
お客さんの条件からして、
どの物件が一番その人に合っているか?
というのは、そこまで考えなくても普通にわかることです。

なぜなら、
「これ以上に適した物件はまずないな」
ということが合理的に判断できるからです。

しかし、お客さんはたいてい素人ですから、
この合理的な判断が難しいため、
どうにかこうにかして、説得を試みるわけです。


お部屋探しはほとんどの場合、
「はじめまして」でご案内をしますから、
信頼関係は築けていない前提となります。

信頼関係があれば、
「この物件が1番合ってます」
「そうですか、決めます」
で終了します。

しかし、信頼をしてもらえていなくても、
「この物件が1番合ってます」
というのが不動産屋さんにはわかっている、

じゃあ、どうやって
「この物件が1番合ってる」
というのをお客さんに分かってもらうか?
というときに使われるのが、上記のテクニックです。

1番合っていて、満足感が高いであろうAの物件を
お客さんに気持ちよく選んでもらうため、
我々不動産屋さんは背中を押させていただくのです。

合理的に納得してもらうのは知識的に難しいため、
感覚的に満足してもらえるよう、背中を押すのです。

それが、不動産屋さんの仕事です。


今回はこの辺で。

ありがとうございました!

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