2020/08/10【スタッフブログ】山内

お部屋探しの心理学①『認知的不協和』

こんにちは!山内です。

今回は「お部屋探しの心理学」と題して、
不動産にまつわる心理的な現象を解説してみます。

物件選びの後悔を減らす心理学的なアプローチにも触れます!


不動産を選ぶのって、賃貸でも売買でも、
決断力をめちゃめちゃ要求される瞬間ですよね。

家を買う!っていうのは、
おそらく人生でもっとも大きな買い物になります。

部屋を借りるのでも、
お金に糸目をつけなきゃいくらでも引越せますが、
普通はなかなか引越せず、年単位で住み続けることになります。


人生の中でも、トップレベルで大きな決断をするわけなので、
その決断をする前後は内面的な変化も大きくなるはずです。

つまり、心理学的な現象が顕著にみられるということです。

私が不動産業界にいて、最も面白いなぁと感じることの一つでもあります。


その中でも、ことわざにもなっている面白い現象を1つご紹介します。

それが、
「認知的不協和」
というものです。


認知的不協和というのは、
心理学者のフェスティンガーが提唱した現象で、

無意識のうちに自分に都合の良い情報とか
楽観的な情報を積極的に受け入れてしまい、

逆に自分に都合の悪い情報とか
悲観的な情報からは目を背けてしまう、

という心理的な傾向のことです。


この「認知的不協和」は、
部屋を選ぶ前にも、選んだ後にも起こっています。

選ぶ前でいうと、特に売買物件に顕著なのですが、
ご案内した際、こういう方がよくいらっしゃいます。

「ネットで見たときから、既に決めていました」

ここにする、と決めて見られる場合、
自然と良い部分が目に入ってきやすく、
悪い部分は「どうにかなる」と楽観的に見る傾向にあります。


部屋を選んだ後でいえば、
いわゆる「住めば都」です。

住んでから良い部分が次々に見えてきます。

家賃が高い方と安い方とで迷うことがありますが、
実はこの時、高い方を選んだほうが、
後から満足感が高くなる可能性が大きいのです。

私のポジショントークも少なからずありますが笑、
家賃や価格が大きいほど「後悔したくない!」
という気持ちが強まり、住めば都効果(認知的不協和)が強く働きます。

良い部分が見えやすくなり、
同時に悪い部分が見えにくくなるから、
結果的に家賃の高いほうが満足感は高い、
というわけです。


最後に一つ、イソップ寓話の
「キツネとブドウ」
という話を紹介します。

あるキツネが、
高いところにあるブドウに手が届かず、
食べることができませんでした。

すると、キツネは
「あのブドウは、すっぱいに決まってる」
と自分を納得させました。

っていう話です。


不動産に限らずですが、
何か決断をするということは、
同時に他の選択肢を切り捨てることを意味します。

高い家賃のほうを選んでいれば満足感が高まるのでいいですが、
安い家賃のほうを選んでしまい後悔している場合。(笑)

というのはあくまで一つの具体例ですが、
家賃の高低に限らず、後から
「違う物件を選んでいたら・・・?」
というモヤモヤは起こりがちだと思います。

そんなときは、すっぱいブドウ。


実際的にその物件が良い悪いという情報は実は見えておらず、
認知的不協和により歪んだ情報しか我々はキャッチできません。

要するに、満足するしないは、完全に自分次第ということです。

であれば、切り捨てた選択肢のブドウは、
いつでも「すっぱいに決まってる!」でOKです。

逆に言えば、自分の選択は常にベストなのです。


「この物件にしてよかった!」と思うためには、
認知的不協和をいかに働かせるか?ということです。

言い換えると、いかに選ばなかったブドウを
「すっぱいに決まってる!」と思い込めるかです。


今回はこの辺で。

それでは、ありがとうございました!

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